レーザーディスクとは?概要や歴史、データやDVDでダビングする方法も解説
「レーザーディスクとはどのようなものか知りたい」
「昔のレーザーディスクが出てきたけどまだ見る手段はあるのか」
レーザーディスクについて調べている人は、上記のようにお悩みのことが多いでしょう。
レーザーディスクとは、直径30cmのディスクを用いた映像メディアで、1990年代初頭までの最新映像視聴技術のことです。現在はディスクも再生機も生産が終了しており、レーザーディスクそのものを再生することは非常に困難なものとなってしまいました。
本記事では、レーザーディスクの概要から、DVD化・データ化する方法まで解説しています。この記事を読めば、レーザーディスクについてより詳しく理解し、また映像を楽しめるようになるので、ぜひ参考にしてください。
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目次
レーザーディスクとは

レーザーディスクは、直径30cmの大きなディスクに映像や音声を記録する媒体です。現在でもよく利用されるCDやDVDは直径12cmであることから、レーザーディスクは非常にサイズが大きいものだったといえます。また、VHSや初期のDVDと比べて、映像と音声の品質が高いものでした。
しかしながら、レーザーディスクは一般には広く普及せず、当時から今まで一部のコレクターや専門家の間でのみ、その価値が認められているに過ぎません。これは、再生機やディスクが高価だったことや、VHSやDVDに市場を奪われていたことなど、複数の理由が考えられます。
なお、2007年にはレーザーディスクの生産が終了し、2009年にはレーザーディスクプレーヤーの生産が終了しています。
レーザーディスクの歴史

レーザーディスクの歴史を、開発起源から衰退までにわたって紹介します。
開発起源
レーザーディスクの起源は、アメリカのデビッド・ポール・グレッグが1958年に光ディスクのアイデアを特許取得したことにまで遡ります。グレッグはメディアを一新する可能性を秘めたこの新たな光学的記録技術の可能性を認識していました。
この発明が商業化されるためにはまだ時間が必要で、フィリップスとMCAによる共同開発が行われるのは10年以上後のことでした。彼らの研究チームは、レーザーディスクの基礎となる技術を確立し、光学ディスクが大量のデータを一貫して高品質で保存し、再生できることを証明しました。
市場への導入
そして1978年、レーザーディスクが一般消費者向けに初めてリリースされ、市場に登場しました。それは革新的な技術であり、光学ディスクとして初めて商用化されたフォーマットでした。その品質は他の追随を許さず、特に映像と音声の品質においては、その時代の他のどのメディアフォーマットよりも優れていました。
しかし、その高価さと取り扱いの難しさから、レーザーディスクは大衆市場では広く受け入れられませんでした。それにもかかわらず、その品質と革新性は一部の映画愛好家やオーディオ愛好家に認知され、支持され続けました。
その後の進化と衰退
レーザーディスクはその後も進化を続け、1980年代にはデジタル音声を追加するなど、画質だけでなく音質も向上させるようになりました。さらに、特別版やディレクターズカットといった別バージョンの映画を提供するなど、映画体験を豊かにするための新たな試みも行われました。
レーザーディスクは90年代初頭まで主流の映像メディアとして存在し続けましたが、その後、より小型で扱いやすく、そして低価格なDVDに市場を奪われ、次第にその存在感を失っていきました。
しかし、レーザーディスクの技術は今日のデジタルメディア、特に光学ディスクの形状に大きな影響を与え、その技術的な遺産は今もなお続いています。
レーザーディスクに使用されていた技術

レーザーディスクに使用されていた次の3つの技術について解説します。
- ハイブリッドフォーマット
- 大容量の記録機能
- 映像へのランダムアクセス
それぞれの技術について、詳しく確認しましょう。
ハイブリッドフォーマット
レーザーディスクには、アナログとデジタルのハイブリッドフォーマットが活用されていました。
最初のレーザーディスクはアナログ方式で映像を記録し、音声もFM変調のアナログ信号で記録されてたことが特徴です。しかし、1980年代に入るとデジタル音声が追加され、アナログとデジタルのハイブリッド形式を取るようになりました。
大容量の記録機能
レーザーディスクは当時としては大容量の記録機能を備えていました。具体的な記録時間としては、片面に最大60分(スタンダードプレイ)、または最大120分(ロングプレイ)の映像と音声を記録可能でした。
レーザーディスクに備わった大容量の記録機能が、映像と音声の高品質な記録を可能にしていました。
レーザーディスクの画質は525ライン(北米)または625ライン(ヨーロッパとアジア)の解像度を持ち、VHSと比較して明らかに優れていました。また、アナログステレオ音声の他にデジタルステレオ音声を提供でき、その音質はCDと同等のものでした。
映像へのランダムアクセス
レーザーディスクは映像のランダムアクセスが可能でした。ランダムアクセスとは、特定のシーンに瞬時にジャンプしたり、映像を一部分だけ見直したりできる機能です。
この機能は後のDVDやBlu-rayディスク、さらにはデジタルストリーミングサービスで一般的に利用されています。
レーザーディスクと他のメディアフォーマットの違い

レーザーディスクと他のメディアフォーマットの大まかな違いは、下表のとおりです。
| 特性 | レーザーディスク | VHS | DVD | Blu-ray |
|---|---|---|---|---|
| 映像品質 | 高品質 | 低品質 | 高品質 | 最高品質 |
| 音質 | 高品質 | 低品質 | 高品質 | 最高品質 |
| メディアの大きさ | 大 | 中 | 小 | 小 |
| 録画可能性 | 不可能 | 可能 | 可能(一部) | 可能(一部) |
| 特典コンテンツ | あり | なし | あり | あり |
| 価格 | 高価 | 低価格 | 低価格 | 中価格 |
| 再生品質の劣化 | 低い | 高い | ほぼなし | ほぼなし |
レーザーディスクとそれぞれのメディアフォーマットの違いについて、より詳しく確認しましょう。
VHSとの違い
同時代の主要な映像メディアであったVHSとレーザーディスクとの違いは、映像や音声の品質です。レーザーディスクの方が、高品質な映像と音声で映像視聴が可能でした。VHSは低解像度であり、テープの摩耗により再生品質が低下するという点が問題でした。
しかし、VHSは低価格で、録画ができる利点がありました。これにより、VHSは一般家庭に広く普及し、レーザーディスクはニッチな市場に留まりました。
DVDとの違い
レーザーディスクに続いて登場したDVDとの違いは、大きさと価格です。DVDの方が小型で、さらに低価格です。また、DVDはデジタルフォーマットであるため、再生品質の劣化がほとんどありません。
ただし、初期のDVDはレーザーディスクに比べて特典コンテンツが少ない点や、映像のビットレートが低いなどの面で劣っていました。しかし、これらの問題は技術の進歩と共に改善され、DVDの台頭はレーザーディスクが市場から撤退する一つの原因になりました。
Blu-ray Discとの違い
DVDの後継フォーマットとして登場したBlu-ray Discとレーザーディスクの大きな違いは、記録容量です。Blu-ray Discはレーザーディスクと比べて大容量であるため、長時間の録画でも高品質な映像と音声を楽しめます。
また、特典コンテンツや高品質な音声トラックも豊富に収録することが可能です。そのため、レーザーディスクよりもBlu-ray Discの方がより豊かな映像体験ができます。
レーザーディスクをデジタル化してDVDにダビングする方法

レーザーディスクをデジタル化してDVDにダビングするためには、次のものが必要です。
- GV-USB2/HQ
- Light Capture(GV-USB2/HQに付属するソフト)
- PowerDirector 12 for I-O DATA(GV-USB2/HQに付属するソフト)
- レーザーディスク再生機
- パソコン
- 空のDVD
なお、レーザーディスクの再生機は新品で販売されておらず、中古品を探すかレンタルしなければなりません。
上記が準備できている前提で、レーザーディスクをデジタル化・DVD化する方法を次の2つのステップに分けて解説します。
- レーザーディスクのデータをパソコンに取り込む
- デジタル化したデータをDVDにする
1. レーザーディスクのデータをパソコンに取り込む
レーザーディスクをデータ化・DVD化するためには、最初に再生機器でレーザーディスクの映像を再生しつつ、その映像データをGV-USB2/HQにてパソコンに取り込む必要があります。
GV-USB2/HQは、赤・白・黄色のビデオ端子(RCA端子)やS端子からの出力を、パソコンへと入力するためのツールです。レーザーディスクに限らず、VHSテープや8mmビデオテープなどの映像もこれを使って取り込めます。

画像引用:株式会社アイ・オー・データ機器「GV-USB2/HQ」
まず、購入したGV-USB2/HQのシリアルナンバー(S/N)を利用して、Webサイトからダビングに使う次の2つのソフトをインストールしましょう。
- パソコンで映像を取り込んでデータ化するためのソフト(Light Capture)
- 取り込んだデータをDVDやBlu-rayにするためのソフト(PowerDirector 12 for I-O DATA)
それぞれのソフトのインストール後、GV-USB2/HQでパソコンと再生機器を接続して、Light Captureを起動してください。Light Captureを起動してレーザーディスクを再生すると、パソコンで映像が再生されます。この状態でLight Captureの録画ボタンを押すと、パソコンにデータが取り込まれます。
パソコンだけで映像視聴を楽しむのであれば、これで作業は完了です。DVDやBlu-rayにしたい場合は、次のステップに進みましょう。
2. デジタル化したデータをDVDにする
デジタル化したデータをDVDにするためには、GV-USB2/HQを購入するとダウンロードできるPowerDirector 12 for I-O DATAを使用します。
PowerDirector 12 for I-O DATAを起動して、Light Captureで取り込んだデータを読み込みましょう。ソフトの起動後、PowerDirector 12 for I-O DATA上で書き込むディスクの媒体を選択し、2Dで書き込みをクリックします。
ディスクをパソコンに挿入して、書き込み開始をクリックします。しばらく待ってディスクへのデータ書き込みが完了したら、DVDへのダビングが完了です。
なお、書き込みをした機器以外でもDVDを再生したい場合には、DVDに対してファイナライズが必要です。ファイナライズについては、次の記事で詳しく解説しています。
▼参考記事
レーザーディスクをダビングするときの注意点

レーザーディスクをダビングするときの注意点は、著作権法に違反してはならない点です。
ご自身で楽しむ範囲であれば問題ありませんが、ダビングしたDVDやデータの配布などをすると、著作権法に抵触する場合があります。また、ダビング専門業者に他者の著作物のコピーを依頼することも、基本的には著作権法に抵触する可能性が高いので注意しましょう。
著作権法とダビングについては以下の記事が参考になりますのでご参照ください。
▼関連記事
レーザーディスクに関するよくある質問

レーザーディスクに関するよくある質問に回答します。
Q. レーザーディスクはなぜ普及しなかったのですか?
次のような複数の原因が考えられます。
- 再生機やディスクが高価だったため
- レンタルが禁止されていたため
- サイズが大きく扱いにくかったため
- VHSやDVDに市場を奪われていたため
- 一般的にVHSの品質で満足する人が多かったため
Q. レーザーディスクの生産は終了しましたか?
はい、ディスクは2007年、再生機は2009年に生産を終了しています。
Q. レーザーディスクの当時の値段はいくらでしたか?
レーザーディスクは5,000~9,000円程度で販売されていました。
Q. レーザーディスクを見るには何が必要ですか?
レーザーディスクを見るためには、次の3つが必要です。
- レーザーディスク再生機
- 再生機とモニターを接続するケーブル
- 再生機の映像を出力できるモニター
レーザーディスクは1990年代初頭までの最新映像視聴技術

レーザーディスクは1990年代初頭までの最新映像視聴技術でした。大容量で高画質かつ高音質の映像視聴が可能でしたが、DVDの普及によりその立場を奪われ、衰退していきました。
GV-USB2/HQや専用ソフトを使えばレーザーディスクをデータ化、DVD/ Blu-ray化できます。思い出のレーザーディスクがある人は、ぜひこの記事を参考にしながらレーザーディスクのデータを保存してみましょう。

