最高品質!レコードをいい音でデジタル化するための方法!
無料お見積・ご注文はこちら
目次
はじめに
音楽愛好家やオーディオ愛好家はレコードをデジタル化しようと考えた方も多いのではないでしょうか。実際にやってみて、思いのほかいい音でデジタル化できたと思った方も、反対にひずみやノイズだらけでがっかりした方もいると思います。
レコードの独特な音質と人肌を思わせる質感はアナログメディアの王者といえるでしょう。そんなレコードの持ち味を維持しながら、できる限り音質を損なわずにデジタル化するのは意外と難しいものです。しかし、レコードの特質とオーディオ機器やパソコン周辺機器の特質のツボをしっかり押さえればいいのです。
ここではレコードのデジタル化をクオリティ最優先でおこなうための具体的な手法について詳細に説明していきます。
往年のレコードプレーヤー
レコードのデジタル化で最も重要なのはレコード再生そのものをきちんとおこなうことです。レコードプレーヤーを処分してしまったり、長年押し入れにしまい込んだままで故障してしまったりしていることも多いでしょう。
そこで改めてレコードプレーヤーを購入しようと思う方も多いと思いますがちょっと待ってください。
最新のレコードプレーヤーはデジタル化を前提としてUSB出力を搭載したものもあります。
ただ、クオリティを優先するならば古いプレーヤーを再利用するほうが得策です。レコード全盛期に作られたレコードプレーヤーは純粋にいい音でレコードを再生するために作られているからです。
レコードプレーヤーはオーディオ機器の中では比較的故障しにくいので手持ちがある場合は引っ張り出して動かしてみてください。ただし、フルオートプレーヤー(再生開始から終了まで自動でおこなうタイプ)は経年による故障率が高いので注意してください。
レコード針
レコード針もいい音で再生するために重要なポイントです。摩耗した針先やダンパーが劣化しているレコード針は音がよくないだけではなく、レコードの音溝を傷める恐れがあります。新品の交換針は入手困難かと思いきや、いまはサードパーティー製品が充実していて互換品が意外と簡単に入手できます。レコード針に記された型名をもとに、ネットで調べたり専門店で尋ねたりするといいでしょう。
レコードクリーニング
古いレコードはカビやほこりが付着して、パチパチと壮大なノイズを発することがあります。しかし、適切な方法でクリーニングをおこなえば大抵の場合はノイズを抑えることができます。レコードのクリーニンググッズや方法についてもネットで調べると、たくさんの情報が得られるので、自分に合った方法を試すといいでしょう。ちなみに洗濯のり(PVAのり)を使った「盤面パック」は、手間と時間がかかりますが安価で最も効果的な方法のひとつです。
最高品質!レコードのデジタル化
往年のアンプのフォノイコライザー
レコードがきれいな音で再生できるようになったら、いよいよデジタル化をおこないます。
ここでも古いオーディオ機器が非常に役に立ちます。特にオーディオ全盛期(1970年代から1990年代)のプリアンプやプリメインアンプは、アナログ信号の特性を最適化するために設計された優れたアナログ回路を備えています。
具体的にいうとフォノイコライザーの音質が非常に優れているのです。
レコードをいい音で再生するためにフォノイコライザーはとても重要です。オーディオ全盛期のアンプには、フォノイコライザーが専用のアナログ回路として組み込まれており、最新機器をしのぐ音質でレコードを楽しむことができます。
レコードプレーヤーと同様に長年使っていないアンプはメンテナンスが必要なこともあるので、まずは電源を入れてレコードプレーヤーを接続し実際にレコードを再生してみるといいでしょう。古いアンプはウォーミングアップに時間がかかるので電源を入れて1時間くらい経ってからチェックしてください。
DATデッキ
レコードの再生がいい音でできるようになったら、次はデジタル化の方法を検討します。レコードのアナログ信号をデジタル化する方法はいくつかあり、パソコンやUSBサウンドアダプターのアナログ入力を利用するのが一般的ですが、さらなる高音質を狙うのであればDATデッキの活用をお薦めします。DATはDigital Audio Tapeというもので1987年に登場しました。優れた音質と機能を持ち、民生用のみならず業務用としても広く使われましたが、デジタル技術の進化とともに衰退しいまではほとんど使われなくなりました。
DATデッキを活用
レコードのデジタル化でDATデッキを活用するメリットはズバリ音質です。
具体的にはアナログ信号のデジタル化にDATデッキに搭載されたADコンバーターを活用するのです。オーディオ機器として音質に配慮されて設計されたDATデッキのADコンバーターの音質は、パソコンやUSBサウンドアダプターのアナログ入力よりも優れています。特にADのAの部分(アナログ回路)は充分な配慮の上設計されていて、いわばオーディオグレードのクオリティなのです。ただ、DATデッキはCD相当のスペック(44.1kHz/16bitまたは48kHz/16bit)なので、いわゆるハイレゾでデジタル化することはできません。
ジャンクのDATデッキ
レコードのデジタル化ではDATデッキの中のADコンバーターのみを使うことになるので、テープメカが故障していても問題ありません。いまからDATデッキを中古で入手するのであれば、ネットオークションなどでメカが故障したジャンク品を狙うのも手かもしれません。ただ、ひどく壊れているものや電源が入らないジャンクは避けるようにしてください。
SPDIF経由でパソコンに取り込む
往年のオーディオ機器を準備できたらいよいよパソコンに取り込みます。
具体的な手順を説明すると、
- ①まずレコードプレーヤーをアンプ(フォノイコライザー)に接続し、アンプのRECアウトからDATデッキのアナログ入力に接続します。
- ②DATデッキを録音ポーズ状態にして、録音ボリュームをあげてDATデッキのメーターが振れることを確認します。このときDATデッキにヘッドホンを接続して、実際の音をモニターするといいでしょう。
- ③次にDATデッキのデジタル出力をパソコンに接続します。つまりDATデッキ以降はデジタルでデータを送るわけです。DATデッキのデジタル出力はオーディオ機器に多く使われているSPDIFというもので、同軸端子と光端子があります。同軸でも光でもどちらでも構いませんが、パソコンやUSBサウンドアダプターにSPDIF入力が備わっていることが必要ですのでこの点は注意してください。
録音レベルの調整
録音レベルの調整はDATデッキでおこないます。DATデッキのメーターを見ながら、0dBをオーバーしないように注意して、しかしできるだけ高いレベルに設定することがコツです。低めに設定しておいてパソコン上の編集でレベルを上げることも可能ですが、音質優先ならこの段階でできるだけ高いレベルに設定することをお薦めします。
パソコンで音の仕上げ
録音レベルの調整はDATデッキでおこないます。DATデッキのメーターを見ながら、0dBをオーバーしないように注意して、しかしできるだけ高いレベルに設定することがコツです。低めに設定しておいてパソコン上の編集でレベルを上げることも可能ですが、音質優先ならこの段階でできるだけ高いレベルに設定することをお薦めします。
最後に
こうしてデジタル化したレコードの音は、決して既成のデジタル音源では得られない自分だけのものです。そしてその音はデジタルでありながらレコードの持ち味を存分に楽しむことができるでしょう。デジタルならではの機能性や便利さと、レコードならではの温かみのあるサウンド持った最強の音源の出来上がりです!